400冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

小から大まで

動物が主人公  小から大まで

IF YOU GIVE A MOOSE A MUFFIN

If You Give a Moose a Muffin (If You Give...)

もしもムースにマフィンをあげると ローラ・ニューメロフフェリシア・ボンド
青山南訳 岩崎書店

主なキャラクター 
ムース

愛嬌者のムースくん登場。
『IF YOU~』シリーズではネズミやコブタが登場して、あれこれお願いが続きます。本書では一気に大型サイズになってムース(ヘラジカ)が戸口にやってきます。
マフィンをあげたらムースはジャムを欲しがります。全部食べたうえにもっと欲しがるからマフィンの材料を買いに行くはめに。そしたらムースも一緒に行きたくなります。表は寒いからセーターを貸してあげることに。取れかかったボタンに気づいたムースが次にお願いするのは針と糸。

大きな体に似合わず裁縫したり絵を描いたり洗濯までしちゃうムースくんが愛嬌があってとってもキュート。シリーズの中でもビッグサイズのユーモアで楽しませてくれます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
When the scenery is finished, he'll get behind the couch. But his antlers will stick out.
So he'll ask for something to cover them up.
ソファの後ろから2本の角がニョキ。

Zara Zebra Gets Dressed

Zara Zebra Gets Dressed

Zara Zebra Gets Dressed  Brigitte Weninger文 Anna Laura Cantone絵

主なキャラクター 
Zara Zebra

シマウマファッションの決め手は。
シマウマのZara Zebraが朝起きて、服を着る様子をユーモラスに描いた可愛い絵本です。
まず黄色い水玉模様のパンツ(polka-dot pants)をはいて次は青いズボン(trousers)。大好きな赤いセーター(jumper)を着て、緑色のソックス(socks)をはきます。最後にコートを着てお出かけです。ラストシーンの洒落っ気には思わず笑っちゃいます(でも、うっかりすると笑いのツボを見逃すかも)。

ピンポン玉のような目玉が個性的なZara Zebra。zを重ねた名前が繰り返されて簡潔な文章にリズムを与えています。はっきりした色合いの愉快なイラストは楽しさいっぱいです。
服の種類や色が楽しく覚えられるように工夫されていて、読み聞かせにもおすすめです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
You look lovely, Zara Zebra!
ホントお似合いだね。

Stellaluna

Stellaluna

ともだち、なんだもん!―コウモリのステラルーナの話 ジャネル キャノン 文と絵 
今江祥智訳  遠藤育枝訳 ブックローン出版

主なキャラクター
ステラルナ

鳥ファミリーと暮らしたコウモリの物語。
フクロウに襲われてお母さんと離ればなれになってしまった赤ちゃんコウモリのステラルナ。運よく鳥の巣の中に落っこちて、鳥一家と暮らすことになりました。虫を食べ、昼は起きて夜眠る鳥式の生活にも慣れたけど、やっぱり足でぶら下がるのが好き。でも鳥のきょうだいがまねして、かあさん鳥から大目玉。足のぶら下がりは封印しました。

コウモリも鳥も空を飛べるけど、食べものや暮らしぶりは大違い。鳥ファミリーと暮らすステラルナは懸命に彼らの生活スタイルに合わせようとしますが当然のことながら上手くいきません。幸いステラルナはお母さんの元に戻ることができました。鳥のきょうだいとは互いの違いを理解したうえで、ともだちになります。

stellar(星の)luna(月の女神)というチャーミングな名前を持つコウモリには夜空を優雅に滑空する姿がお似合いです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
How embarrassing!
うわーっ、恥ずかしい!だって、おっとっと、枝に、ちゃんととまれないんだもの。

THE RAINBOW FISH

The Rainbow Fish

にじいろのさかな マーカス・フィスター 文と絵 谷川 俊太郎訳 講談社

主なキャラクター 
レインボウフィッシュ

世界一美しいサカナの幸せさがし。
海の中でひときわ美しく目立つサカナがいました。青、緑、紫、そしてキラキラ輝く銀色のウロコでおおわれたレインボウフィッシュです。ある日、小さな青いサカナがキラキラのウロコを1枚譲ってほしいと頼みますがレインボウフィッシュはにべもなく突っぱねます。この出来事以来、サカナたちはレインボウフィッシュを敬遠するようになりました。ひとりぼっちのレインボウフィッシュは賢者のタコに相談します。「キラキラのウロコをみんなに分けてあげればきっと幸せになれるとも」というアドバイスに最初は反発したレインボウフィッシュですが...。

キラキラ光るウロコが、分かち合うよろこび(the joy of sharing)というメッセージをやさしく語りかけます。
レインボウフィッシュの絵は実は『The Sleepy Owl』という作品のフクロウから生まれたそうです。フクロウとサカナの絵の共通点は?マーカス・フィスターの公式サイトに2つのイラストが並んでいて「なるほど!」とうなずきます。印象的なキラキラのウロコはホログラフィック・フォイル・スタンピングという手法を使っているそうです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Give a glittering scale to each of the other fish. You will no longer be the most beautiful fish in the sea, but you will discover how to be happy.
賢者のタコがレインボウフィッシュに与えたアドバイスです。

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ELMER

Elmer

ぞうのエルマー  デビッド・マッキー文と絵  きたむらさとし訳 BL出版

主なキャラクター
エルマー

エルマーはパッチワークの個性派ゾウ。
灰色一色のゾウの世界でエルマーのカラフルなことといったら。黄、オレンジ、赤、ピンク、紫、青、緑、黒そして白のパッチワークボディなんですもの。冗談好きでみんなを笑わせるエルマーのおかげでゾウたちは明るく楽しく暮らしていました。でも、エルマーはみんなと違っている自分に嫌気がさし、こっそり群れを抜け出します。

仲間の元に戻ったエルマーは他のゾウと同じ色をしています。なんと体中にゾウ色の実を塗りたくったのです。帰ってきたエルマーに気づかず、ゾウたちはじっと静かにムッツリしてるだけ。そんな仲間を見ているうちに、お茶目なエルマーが勢いよくはじけます。

華やかボディのエルマーを見ているだけで楽しくなります。仲間たちも実は個性的。耳の形、鼻の長さ、脚の太さ、体のサイズなど多彩なゾウさんが登場します。ラストシーンでは、年に1度の「エルマーの日」に思い思いの“晴れ姿”を披露しています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Elmer was different.
Elmer was patchwork.
Elmer was yellow and orange and red and pink and purple and blue and green and black and white.
Elmer was not elephant colour.
鼻の先から脚まで全身色とりどりのエルマーです。

GIRAFFES CAN'T DANCE

Giraffes Can't Dance

きりんはダンスをおどれない ジャイルズ・アンドレイ 文  ガイ・パーカー=リース 絵 
まきの・M・よしえ訳 PHP研究所

主なキャラクター
ジェラルド

キリンだってダンスを踊れるよ。
今日はジャングル恒例のダンス大会の日。動物たちが続々と集まり、次々に得意な踊りを披露します。イボイノシシはワルツ、サイはロックンロール。ライオンはタンゴのステップを優雅に。チンパンジーはラテンのリズムにのってチャチャチャ。楽しげなダンスを見ていたキリンのジェラルドは、勇気を出してみんなの前へ。そんな彼を動物たちは大笑い。「キリンにダンスはできないよ」。
長い首に細い脚のジェラルドは確かにダンスが大の苦手。すごすごと立ち去るしかありません。

傷心のジェラルドにコオロギが声をかけます。「自分に合う音楽を見つければいいんだよ。風にそよぐ草や木々に耳をかたむけてごらん。お月さまから聞こえる音楽を想像してみて」。そしてコオロギはバイオリンを弾き始めます。すると、あら不思議。ジェラルドの足が、首が、尻尾が自然に動き出して...踊ってる!

この絵本は作者のジャイルズ・アンドレイがケニヤ旅行で走るキリンを見たことから生まれました。大きな体で優雅に駆ける姿に驚き、感動したそうです。ジェラルドは最後には拍手喝采を浴びますが、小さなコオロギが大きな力を与えてくれました。だれかの励ましは可能性が開花するエネルギーになりますね。ちなみにコオロギは全シーンに登場。「コオロギさがし」はお話を盛り上げる楽しいおまけ、ですね。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
He threw his arms out sideways
And he swung them everywhere,
Then he did a backwards somersault
And leapt up in the air.
踊り始めたジェラルドはなななんと、ポーンと後方宙返り。

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The Tiger Who Came to Tea

The Tiger Who Came to Tea

おちゃのじかんにきたとら  ジュディス・カー 文と絵 晴海耕平訳 童話館出版

主なキャラクター
トラ ソフィー ママ 

トラといっしょにティータイム。
ママとソフィーがキッチンでお茶を飲んでいるとベルが鳴りました。ドアを開けるとそこにいたのは大きなトラ。「お茶をごいっしょしてもいいですか」ですって。「もちろん、いいですとも」とママが招き入れて3人でお茶を楽しむことになりました。でもトラははらぺこで、サンドイッチもロールパンもビスケットも全部ペロリ。ミルクもお茶も全部ゴクリ。冷蔵庫も食器棚の中も全部ガッツリ。家じゅうの食べ物は全部トラのおなかの中です。パパが帰ってきても夕ご飯がありません。

予期せぬゲストをソフィーもママもにこやかにおもてなし。大きな体で椅子にちょこんと座るトラは、不思議なほどしっくりその場に溶け込んでいます。

作者のジュディス・カーは1923年、ベルリン生まれ。著名な作家で演劇評論家の父がヒットラーから迫害を受け、一家はスイス、フランス、そしてイギリスへ逃れます。少女時代のこの体験を描いた自伝的小説も発表しています。2013年6月には90才を迎え、それを記念して『Judith Kerr's Creatures』が出版されました。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Thank you for my nice tea. I think I'd better go now."
And he went.
家に入るときも出るときも、きちんとご挨拶。トラさんは実に礼儀正しいのです。

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The Kissing Hand

The Kissing Hand

キスのおまじない オードリー・ペン 文 ナンシー・M. リーク & ルース・E. ハーパー 絵
入澤依里訳 アシェット婦人画報社

主なキャラクター
チェスター おかあさん

てのひらキスをほっぺにギュッ。ほら、だいじょうぶ。
学校なんて行きたくない。おかあさんとおうちにいたい。本を読んだりおもちゃで遊びたいよ。
今日から学校が始まるのに、チェスターは涙を浮かべてダダをこねます。おかあさんは優しくなだめながら、アライグマに代々伝わる秘密のおまじないを授けます。それは「てのひらキス」。

Mrs.Raccoon took Chester's left hand and spread open his tiny fingers into a fan.
Leaning forward, she kissed Chester right in the middle of his palm.

おかあさんはチェスターの左手をとり、手の平の真ん中にチュッ。そこからおかあさんのぬくもりが広がってゆきます。「さみしくなったら、てのひらキスをほっぺにギュッするの。そしてね、おかあさんはチェスターが大好きって思い出して。そうすればもうさみしくないでしょ」。

てのひらキスをほっぺに当てれば、不安やさみしさはいつの間にか消えてしまいます。子どもだけでなく、年齢不問の効果がありそうですね。お試しあれ。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
I LOVE YOU
ラストシーンは手話で「I LOVE YOU」。広げた左手の中指と薬指を内側に折り曲げて。

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I am so STRONG

I Am So Strong

I am so STRONG  Mario Ramos 文と絵

主なキャラクター
オオカミ

森で一番強いのはオレ!...アレ?
森の中を散歩しているオオカミが出会ったものに質問をします。「森で一番強いのはだれだ?」。「もちろん、あなたですとも」と、答えはみな同じ。意気揚々のオオカミが次に出会ったのは、ガマガエルのようないきもの。例の質問をぶるけると思いもよらない答えが返ってきました。怒り爆発のオオカミの前に姿を現したのは...。

オオカミといえば昔話や童話では敵役が相場です。本書では赤ずきんちゃん(Little Red Riding Hood)や3匹のコブタ(the three little pigs)といったおなじみのキャラクターが登場し、花と笑いを添えています。相手を見下ろしていたオレ様キャラのオオカミが、最後にはしゅんと小さくなるサマがユーモラスに描かれています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Everyone knows! I'm the fiercest and the cruelest! I am the Big Bad Wolf.
They're all scared to death of me. I'm the king!"
われこそは森一番のワル「the Big Bad Wolf」さまだ!ってワル自慢のオオカミです。

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OLIVER

Oliver (I Can Read Level 1)

ぞうのオリバー  シド・ホフ 文と絵  三原泉訳 偕成社

主なキャラクター
オリバー

ひとりぼっちのゾウのちいさな冒険。
船に乗ってやってきたのはサーカスのゾウの一団です。ところが手違いで1頭多かったのです。ひとり取り残されて途方にくれるオリバー。動物園に行きますがゾウは必要ないと断られてしまいます。どうしよう。オリバーは家々を訪ね「ぼくをペットにしてくれませんか」と聞いてまわります。

犬や馬のマネをしてみるものの巨体のゾウには無理があります。そんなオリバーが子どもたちと一緒に遊びながら、自分の夢を思い出します。「サーカスに入りたい」っていう夢。楽しそうにダンスをするオリバーの前に黒山の人だかりができました。

作品が発表されたのは1960年。人々や街の風景はのんびりと牧歌的です。オリバーは街角に置かれた体重計に乗ったり、車の運転手が道を曲がるときに手を出して合図するのを見て、長い鼻で曲がる方向を合図したり。どんな状況でもゆったり前向きなオリバーがほのぼのキュートです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
He started to dance for the children.
Everybody stopped to watch.
子どもたちのためにダンスを披露するオリバー。踊るゾウにみんなはもうクギ付け!

How to Hide a Lion

How to Hide a Lion

ライオンをかくすには ヘレン・スティーヴンズ 文と絵 さくまゆみこ訳 ブロンズ新社

主なキャラクター
ライオン アイリス 

ライオンをどこに隠せばいいのかな。
ライオンが帽子を買いに街にやってきました。でも人々がこわがったのでその場を逃げ出し、庭先の小さなおうちに隠れます。それはアイリスのお遊び用のおうちでライオンには小さすぎました。
パパとママの目にふれずに、ライオンをどこに隠したらいいでしょうか。アイリスとライオンのかくれんぼが始まります。

大きなからだにモシャモシャなたてがみ、おまけによく眠るライオン。アイリスはパパとママに見つからないよう隠れ場所をあれこれ考えます。コワいもの知らずの少女と心やさしいライオンのスリリングなひとときはママの悲鳴で幕。逃げ出したライオが身をひそめた先は...。人目があるのに誰にも気づかれない格好の場所を見つけましたね、ライオンくん。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Then she read him his favourite story. It was about a tiger who came to tea.
アイリスがライオンに読んであげたのは、お茶に来たトラのお話。
コレって同じイギリス人作家ジュディス・カーの『The Tiger Who Came to Tea』ですね。

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