390冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

マリー・ホール・エッツ

絵本作家 マリー・ホール・エッツ

モノクロの絵とシンプルな言葉に誘われて豊穣な物語の世界へ。
いつのまにか動物たちといっしょに遊んでいます。

IN THE FOREST

In the Forest (Picture Puffins)

もりのなか マリー・ホール・エッツ 文と絵  まさきるりこ訳 福音館書店

主なキャラクター
男の子

森は楽しいなあ、不思議だなあ。
ラッパを吹く男の子を先頭にウサギ、ライオン、ゾウが森の中を行進しています。百獣の王は冠をかぶり微笑みを浮かべています。2頭のゾウもいかにも楽しそう。みんなでどこへ行くのだろう。何が始まるのかな。表紙の絵で一気に森の中へ引き込まれました。

ラッパを吹きながら1人で森を散歩する男の子が動物たちに出会います。最初は昼寝中のライオン、次に水浴びする2頭の子ゾウ。クマはジャムの瓶とピーナツの袋を抱えて、カンガルーの親子は太鼓をたたきながら行進に加わります。水辺にたたずむコウノトリも仲間の一員になりました。行進はさらに進んでゆきます。

図書館で日本語版を手にして、モノクロで描かれた不思議な森の世界に魅了されました。森に響くラッパの音や足音やざわめきが確かに聞こえてきます。最後に加わるウサギはひとり異なる空気感をまとい、気になる存在です。男の子と動物たちと遊んだひとときは楽しかった!誰もいなくなった森に向かって「またね」とつぶやきました。

英語版は絶版になっていて読みたいと願いつつその機会がありませんでしたが、東京・目白の「絵本の家」が英語版(ハードカバー)を復刊したことを知りました。「I had a new horn and a paper hat」の1行で始まる文は「きみもおいでよ」と誘うようにやさしい言葉で語りかけます。
『もりのなか』を楽しんだ方はぜひ『IN THE FOREST』も読んでみてください。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
And London-Bridge-Is-Falling-Down.
子ゾウがアーチを作って「ロンドン橋」遊び。

リンク

JUST ME

Just Me (Picture Puffin)

あるあさ、ぼくは…  マリー・ホール・エッツ 文と絵 まさきるりこ訳 ペンギン社

主なキャラクター
男の子

両手を広げれば、ほらガチョウだよ。
農場の子どもにとって身近にいる動物は格好の遊び相手でしょう。四つん這いでネコのビディのマネをしたのを皮切りに男の子の動物ごっこが始まります。背中で手を組み前かがみで歩いてニワトリのコッキーになりきり。ブタのパールは水たまりで居眠りしてるから草むらに寝そべっちゃおう。牧草を食べているウシのルルにならって頭を下げて草をモグモグ。両手を広げて走ればガチョウのゴンキー。でもニョロニョロ動くヘビはサッと逃げられてうまくマネできません。

男の子を見つめる動物の表情はニヤリだったりホホウだったり、時にはオヤオヤと見守ります。遊びの時間はお父さんの登場で終わりを告げます。駆け寄る男の子はもう他の誰かさんではなく素の自分自身です。
『IN THE FOREST』も本作でも登場するのは動物と男の子と父親。男の子は父親によって現実世界に戻っていきます。2作品に共通する女性作家の視点を興味深く感じました。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Frog," I said, "I can't fly like a bird, but I can hop like a rabbit and climb like a squirrel and leap like a frog. Let me see how you do it."
カエル相手にぴょーんとひとっ跳び。

PLAY WITH ME

Play with Me (Picture Puffins)

わたしとあそんで マリー・ホール・エッツ 文と絵 よだじゅんいち訳 福音館書店

主なキャラクター
女の子

近づけば遠ざかる。静かに待てばそばにいる。
ひとりで野原にやってきた女の子。小さないきものに「Will you play with me?」と声をかけて近づきますが、みんな逃げてしまいます。池のほとりの石にすわってじっとしていると、さっきのいきものたちが1匹また1匹とそばに寄ってきます。女の子の周りにはバッタ、カエル、カメ、シマリス、アオカケス、ウサギ、ヘビが集まりました。繁みに隠れていた小鹿も近寄ってきました。

捕まえようとすると逃げて、じっとしていると近づいてくる。いきものとふれあいの極意が、シンプルな文と絵でほのぼのと描かれています。女の子といきものの交流をやさしく見守るお日さまの存在が印象的。淡いクリーム色の地色はあたたかな日差しのようです。
一見、素っ気ないほどに見えるイラストですが、女の子の表情や仕草は実に細やか。愛らしさがいきいきと伝わってきます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
I held my breath and he came nearer.
He came so near I could have touched him.
But I didn't move and I didn't speak.
And Fawn came up and licked my cheek.
息をひそめてじっとしていたら小鹿から思わぬプレゼント。女の子のうれしそうな顔ったら。

GILBERTO AND THE WIND

Gilberto and the Wind (Picture Puffin Books)

ジルベルトとかぜ マリー・ホール・エッツ 文と絵  たなべいすず訳 富山房

主なキャラクター
ジルベルト

風といっしょにあそぼっ!
ジルベルトは風と大の仲よし。いろんなことをして遊びます。風船、シャボン玉、かけっこ、風車。でも、タコを飛ばしてくれなかったり、カサをこわしてしまったり、ときどきいじわるです。

ジルベルト坊やがなんて可愛いこと。風をはらんで大きくふくらむ洗濯物に目を見開きます。ばたんばたんと揺れる柵にしがみつき「のせて」ってお願い。せっかくほうきで集めた落ち葉をビューッてまき散らされ、おまけに目にはゴミまで。風って力強くてやさしくて楽しくて。幼い男の子のおどろき、よろこび、おそれが小さなからだ全体からいきいきと伝わってきます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
He just laughs and whispers,"You-ou-ou-ou!"
ふうせんがとばされちゃった。風は、わらってる。


Marie Hall Ets(マリー・ホール・エッツ)PROFILE
1895年~1984年/アメリカ・ウィスコンシン州生まれ。ローレンスカレッジ、美術学校などで学ぶ。夫と死別後ケースワーカーとして働く。1959年に出版した『Nine Days to Christmas』(クリスマスまであと九日)でコルデコット賞を受賞。『In the Forest』(1944)、『Mr. T. W. Anthony Woo』(1951),『Play with Me』(1955)、『Mr. Penny's Horse Race』(1956)、『Just Me』(1965)でコルデコット賞オナー賞を5回受賞している。

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