400冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

ブライアン・ワイルドスミス

絵本作家 ブライアン・ワイルドスミス

大胆にして繊細な色使いはまさに色彩の魔術師。
生命を吹き込まれた動物や自然がいきいきと輝いています。

The Little Wood Duck

The Little Wood Duck

かものこぐるぐる ブライアン・ワイルドスミス作  杉山純子訳 らくだ出版デザイン

主なキャラクター
アメリカオシドリの母さん 末っ子 キツネ

グルグル泳ぎで腹ぺこキツネを退治。
アメリカオシドリの母さんに6羽のヒナが生まれました。湖で初泳ぎの日、どの子もスイスイ泳いでいる、と思ったら末っ子はグルグル回るだけ。どうしてもまっすぐ進めません。母さんは怒るしきょうだいはからかうし動物たちには笑われるし。実は末っ子の足は左右の大きさが違っていたのです。その個性がキツネを撃退するのに役立ちました。

葦の繁みや動物たちの美しさに目を奪われました。赤や黄色の微妙な色合いがとても幻想的。悪役のキツネも大胆なタッチで華やかに描かれています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"You have one foot larger than the other. That is why you go round and round. But never mind, there is nothing wrong in swimming in circles. Take no notice of these silly animals."
フクロウの頼もしい言葉。さすが森の賢者です。

DAISY

Daisy

つばさにのったデイジー ブライアン・ワイルドスミス作  長瀬礼子訳  太平社

主なキャラクター
デイジー 

ウシのデイジーはハリウッドの人気スター。
小型飛行機の翼に乗っているのがデイジーです。背中にくくりつけているのはパラシュート。どんな成り行きでこうなったの?
もともとデイジーはブラウンさんの農場で暮らしていました。ある日、放牧場の柵が開いたままに。チャンスとばかりに駈け出してデイジーの冒険が始まります。
屋根で立ちすくむ姿がテレビに流れ、ハリウッドに招かれます。多くの映画に出演したデイジーは人気スターになり、雑誌の表紙を飾り広告にも登場。でもそんな暮らしに次第に嫌気がさしてきて農場に戻ることになりました。最後の主演作は『デイジーの帰郷』。ブラウンさんの待つ懐かしい農場に空から舞い降ります。

見開きページに半分幅のページが付いている仕掛け絵本(スプリットページブック)です。小さなページをめくると大きなページの場面の続きが現れます。ハリウッド行きの客船、西部劇の撮影現場、大広間での晩餐会がダイナミックに描かれます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"I wish I could see the whole world," she thought.
ブラウンさんの見ているテレビを窓の外から見てデイジーは広い世界にあこがれます。

All Fall Down

All Fall Down (Cat on the Mat Books)

おちたのだあれ ブライアン・ワイルドスミス作  石坂浩二訳  学習研究社

ウサギの耳に乗ってるものは...。
最初に登場するのはミツバチ。薄いパープルの地色に同系色の羽がはかなげな美しさ。6本の脚が乗っている楕円形のものは一体何かといえば、チョウの羽です。ブルーの地に華やかな模様の羽が誇らしげに映えます。その脚もまた丸いものに乗っています。その正体はトリの頭です。トリはウサギの耳に、ウサギはアザラシの鼻先に乗っかっています。アザラシが乗っているものは、おなじみの丸いアレです。みんなが絶妙なバランスで...おっとっと。最後はタイトル通りAll Fall Down!

ページごとに地の色が変わり動物たちを引きたてます。最後は赤で緊張感を一気に解き放ちます。小品ですがワイルドスミスの色彩の魅力をしっかり楽しめます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
I see a bee and a butterfly and a bird and a rabbit and a seal.
そおっと、そっと、おっとっと~。

The Rich Man and the Shoe-maker

The Rich Man and the Shoe-Maker: An Oxford Classic Fable

おかねもちとくつやさん ラ・フォンテーヌ文  ブライアン・ワイルドスミス絵 
わたなべしげお訳  らくだ出版

主なキャラクター
靴屋 隣の金持ち

幸せな靴屋が不幸せになったのは。
ラ・フォンテーヌの寓話を美しい挿絵で詩情豊かに。色彩のパッチワークと小さな動物たちがワイルドスミスならではの世界を楽しませてくれます。

貧しいながら幸せに暮らしている靴屋。いつも歌いながら靴を作り、店先には子どもたちが集まってきます。隣には金持ちが住んでいます。一晩中、金貨を数えて寝るのは昼間です。ところが靴屋の歌が気になって眠れません。何とか歌を止めさせる方法はないものか。金持ちは袋いっぱいの金貨を靴屋に差し出します。大金を手にした靴屋は家のあちこちにその金を隠しますがベッドも屋根裏も煙突も安心できません。お金が心配で仕事は手につかず夜も眠れず歌うどころではありません。子どもたちも寄り付かなくなりました。大金のおかげですっかり不幸せになってしまった靴屋がとった行動とは...。

オックスフォード大学出版局の『OXFORD CLASSIC FABLE』シリーズの1冊です。他に『The Hare and the Tortoise』(うさぎとかめ)『The North Wind and the Sun』(きたかぜとたいよう)など全5冊がワイルドスミスの挿絵で出版されています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
But he was still uneasy and in a little while he dug a hole in the garden, and buried his bag of gold in it.
ついには庭に穴を掘って金貨を埋めました。でも...。


BRIAN WILDSMITHブライアン・ワイルドスミス)PROFILE
1930年、イギリス・ヨークシャー州生まれ。ロンドン大学芸術学部を卒業後、教師を経て画家となる。62年に『Brian Wildsmith's ABC 』(ワイルドスミスのABC)でケイト・グリーナウェイ賞を受賞。94年には静岡県の伊豆高原にワイルドスミス絵本美術館がオープンした。

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