400冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

ブタ ウシ

動物が主人公  ブタ  ウシ

Suddenly!

Suddenly!

あっ、あぶない!  コリン・マクノートン文と絵  オーシロ笑美訳 ほるぷ出版

主なキャラクター
コブタのプレストン オオカミ

かわいいコブタにオオカミの魔の手が迫る。
街角で、スーパーで、そして学校で、プレストンの行く先々でオオカミが待ち構えています。魔の手が迫るそのときにsuddenly!と合いの手が入り、するりくるりと難を逃れるプレストン。オオカミのずっこけぶりが笑いを誘います。
suddenly!を境に場面が切り替わるリズムが読者を物語の世界に引き込みます。ひょうひょうとしたお気楽プレストンと執拗に獲物を狙うオオカミの対比がユーモアたっぷりです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"I've had the strangest feeling that someone has been following me." Suddenly!
帰宅してママに打ち明けるプレストン。そのとき!

Oops!

Oops! コリン・マクノートン文と絵

主なキャラクター
プレストン ミスターウルフ

コブタをつけ狙うはらぺこオオカミ。
はらぺこのミスターウルフはコブタのプレストンに目を付け、家の外で待ちかまえています。赤いフード付きコートを着たプレストンが中から出てきました。具合の悪いおばあちゃんの家へ食べ物を届けに行くのです。ん?赤いフード、おばあちゃんの家、つけ狙うオオカミ...どこかで聞いた話です。そう、例のあのお話です。
ミスターウルフは途中でプレストンを捕まえようとしますがスルリとかわされて、プレストンは無事におばあちゃんの家に到着。ベッドのおばあちゃんとプレストンの会話が笑わせます。「おばあちゃんのおめめってすごく大きいね」「おまえがポットを割っちまうのがよく見えるようにさ」。ん?どこかで聞いたようなセリフ。すると「そりゃ、オレのセリフだぁ!」とミスターウルフが窓から乱入。ふたりを縛り上げてしまいます。そこへ登場したのが斧を手にした...。

『Suddenly!』の顔ぶれでおくる痛快パロディです。ミスターウルフの間抜けな悪役キャラにウフフ。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Don't look at me like that, I'm the Big Bad Wolf! It's my job to be nasty. These stories would be pretty boring if I was good, woldn't they?
悪役ウルフのまっとうな言い訳。ごもっとも。

IF YOU GIVE A PIG A PANCAKE

If You Give a Pig a Pancake

もしもこぶたにホットケーキをあげると ローラ・ニューメロフ文  フェリシア・ボンド絵 
青山南訳 岩崎書店

主なキャラクター
コブタ 女の子

「コブタにパンケーキ」がめぐりめぐって。
ローラ・ニューメロフとフェリシア・ボンドのコンビによる『IF YOU GIVE~』の人気シリーズです。
コブタにパンケーキをあげたらメイプルシロップをせがまれます。シロップでべたべたになるからお風呂に入りたがります。パンケーキから始まったおねだりは一体どこまで続くやら。

わがまま放題のコブタとリクエストに黙々と応える女の子の姿がユーモラスに描かれます。コブタが台所の窓から顔を出しても決してパンケーキをあげてはいけません。でないと...。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
On the way, she'll see the tree in your backyard. She'll want to build a tree house.
ツリーハウスとはさすがアメリカ。で、建てちゃうの?

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PIGS APLENTY, PIGS GALORE!

Pigs Aplenty, Pigs Galore! (Picture Puffins)
David McPhail
Puffin
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PIGS APLENTY, PIGS GALORE! David McPhail

主なキャラクター
男性 ブタたち

ブタだらけのトンでもナイト。
本を読んでいたら台所からモグモグペチャペチャと物音が。様子を見に行きバナナの皮にすってんころりん、見回せば周りはブタだらけ。静かな夜は一転、トンでもナイトへ突入してしまいます。
スケボーがジャンプしバレリーナが宙を舞いバグパイプが響きわたり、王さま女王さまも堂々登場。しかも汽車や客船や空からも続々と到着します。

ブタ軍団のカラフルなファッションが目を楽しませてくれます。お茶目な個性のはじけっぷりも愉快痛快。ライムを散りばめた文が軽快なリズムを刻み、すっと物語に誘います。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Flying pizzas
Fill the air.
One goes SPLAT!
Against my chair.
ピザが飛び交うドンチャン騒ぎ。やりたい放題のブタさんたちです。

ROLAND the minstrel pig

ROLAND MINSTRAL PG

ぶたのめいかしゅローランド ウィリアム・スタイグ 絵と文 瀬田貞二訳 評論社

主なキャラクター
ローランド

ブタのローランドは吟遊詩人。
作者のウィリアム・スタイグは絵本作家の他に漫画家、イラストレーター、彫刻家など多彩な経歴の持ち主です。またアニメ『SHREK』の原作者としても知られます。1968年発行の本書はスタイグが初めて手がけた絵本です。

原題にある“minstrel”は吟遊詩人のこと。ローランドはリュートを弾きながら歌います。その美声に周囲はうっとり。「あちこち旅をしながら歌えば有名になってお金持ちになるよ」と友人におだてられ、ローランドは旅に出ます。
旅の途上で出会ったのがキツネのセバスチャンです。王さまの元に連れていってあげるとローランドを喜ばせますが、なぜか妙なことが立て続けに起こります。やがてその下心が露わになり、ローランドは絶体絶命のピンチ。

根っからの音楽家で人を疑うことを知らないブタのローランドと、いかにもズルがしこそうなキツネのセバスチャン。ふたりの対比がおもしろく描かれています。結局、ローランドの美声が自らを救い、富と栄誉ももたらします。一方、悪者のキツネは牢獄で一生を送ることになりました。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"No, thanks," said the fox. "I expect I'll be eating a big meal later on."
ローランドが差し出したリンゴを断るセバスチャン。あとで「たっぷり食べる」って、何を。

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THE AMAZING BONE

The Amazing Bone (Reading Rainbow Books)

ものいうほね ウィリアム・スタイグ 絵と文 せたていじ訳 評論社

主なキャラクター
パール 骨

コブタのパールが帰り道で出会ったもの。
可愛いブタの女の子と彼女を見つめる怪しい目つきのキツネ。表紙の絵から『ROLAND the minstrel pig』と同様に善良なブタと悪者のキツネという構図が想像できますが、タイトルの『THE AMAZING BONE』からはストーリーの予想がつきません。AMAZING(すばらしい)な「骨」って一体どんな骨でしょうか。実は、しゃべるんです、この骨は。

学校からの帰り道、パールは寄り道しながらうららかな春の1日を楽しんでいます。森でひと休みしているときに出会ったのがおしゃべりする骨です。パールはバッグに入れて持ち帰ることにします。家へ向かう途中で3人組の強盗に襲われますが骨の機転で危機を脱します。ところが今度はキツネが現れパールに舌なめずり。骨と一緒にあじとに連れていかれます。パールがキツネの夕食と化そうかというそのとき、骨が発した言葉で事態は思わぬ展開に。

ウィリアム・スタイグ流の奇妙な味わいがページからじわっとしみてくるようです。不思議というかヘンテコリン、そんな読後感がわいてきました。骨は活躍するもののあまり存在感を感じません。やはりピンクのファッションに身を包み夢見る乙女のようなパールが印象に残ります。ポッチャリおっとりキャラがキツネのおっさんの毒気を和らげて、そこはかとないユーモアを漂わせています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Pearl stared at a small bone. "You talk?" she murmured. "In any language," said the bone.
パールと骨が森で出会う場面です。骨は言葉だけでなくさまざまな音もお手のものです。

  

THE STORY OF FERDINAND

The Story of Ferdinand (Picture Puffin)

はなのすきなうし マンロー・リーフ文  ロバート・ローソン絵 光吉夏弥訳 岩波書店

主なキャラクター
フェルディナンド

花が大好きなウシの物語。
赤地に白い花を散らした表紙の中央にいるのが主人公のフェルディナンド。花の香りをかぐのが大好きという変わり種の雄ウシです。他の子ウシたちが跳ね回り角突きをして遊ぶのを尻目に、ひとりコルクの木陰に座り、日がな一日、花とともに過ごすのが常でした。立派な体格に成長したフェルディナンドはちょっとした運命の悪戯で闘牛に選ばれてしまいます。満員の観客の歓声に迎えられ闘牛場の真ん中に駈け出すフェルディナンド。

登場場面は少ないもののフェルディナンドのかあさんの存在が印象的です。友だちと遊ばず、いつもひとりで花の匂いをかいでいる息子って母親にはかなり気がかりなはず。でもそんな個性を理解し、そっと見守ります。
作品が発表された1936年はスペイン内戦の始まった年です。そうした歴史を背景に、花を愛する雄ウシの物語はいろんな色彩を帯びて語られることもあるようです。最後まで我が道を貫いた一徹ものは穏やかな故郷で幸せそうです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
He had a favorite spot out in the pasture under a cork tree.
お気に入りのコルクの木には、コルクの栓がブドウの房のようになっている!

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