390冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

パット・ハッチンス

絵本作家 パット・ハッチンス

繰り返しのストーリー展開と結末が絶妙なおもしろさ。
シンプルなお話に上質なユーモアがたっぷり詰まっています。

THE WIND BLEW

The Wind Blew

風がふいたら パット・ハッチンス作  田村隆一訳  評論社

宙に舞うあんなモノこんなモノ、追いかける人人。
風が吹いて、いろんなものを空に舞い上げていきます。最初はホワイトさんの傘、次はプリシラの青い風船。新郎のシルクハットも飛ばされました。凧、洗濯物のシャツ、ハンカチ、判事のかつらも次々と宙に舞います。
took the umbrella, snatched the baloon, whipped a kite, grabbed a shirt, plucked a hankyと、風がモノを吹き飛ばす表現が多彩でおもしろい。ハッチンスお得意のストーリー展開は軽快なテンポを刻みながら最後までとばします。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
It took the umbrella from Mr. White and quickly turned it inside out.
風のいたずらでおちょこの傘は飛んで、飛んで。

DON'T FORGET THE BACON!

Don't Forget the Bacon!

ベーコンわすれちゃだめよ! パット・ハッチンス作  わたなべしげお訳 偕成社

主なキャラクター
男の子

おつかいって大変だ。
おかあさんから頼まれたおつかいは卵にケーキにナシ、そしてベーコンを忘れないでと念を押されます。男の子は買い物リストを口ずさみながら店へ向かいます。ところがいろんなものに気を取られるうちに「six farm eggs」は「six fat legs」に、「a cake for tea」は「a cape for me」と、とんでもないお買い物に変わってしまいます。

cakeとcape、teaとmeのように音が似た単語に入れ替わる言葉遊びのおもしろさ!単純なストーリーで場面ごとに笑いを誘う名人芸が冴えています。最後のオチもさすがハッチンス。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
SIX CLOTHES PEGS, A RAKE FOR LEAVES, AND A PILE OF CHAIRS, PLEASE.
リサイクル店で洗濯ばさみと熊手とイスをお買いあげ。

The Doorbell Rang

The Doorbell Rang

おまたせクッキー パット・ハッチンス作 乾侑美子訳 偕成社

主なキャラクター
ママ  ビクトリア サム

玄関ベルが鳴ったらクッキーはおあずけ。
ママがおやつにクッキーを焼いてくれました。おいしそうないいにおい。お皿を前にビクトリアとサムはもうおなかがペコペコです。そこへ玄関のベルの音。となりの2人がやってきました。クッキーは4人で分けることに。するとまた呼び鈴が。今度はピーターと弟です。6人がテーブルを囲むと再びベルが。小さなお客さんがまたやってきました。

クッキーを見つめる目、呼び鈴が鳴るたびにその視線はドアへ。その繰り返しがユーモアたっぷりです。子どもたちは一体何枚のクッキーを食べられるのでしょうか。それは読んでのお楽しみ。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
You can share the cookies.
お皿には12枚のクッキー。シェアする人数がどんどん増えていって...。

TITCH

Titch

ティッチ パット・ハッチンス 作 いしいももこ訳 福音館書店

主なキャラクター
ティッチ ピート メアリ

小さな末っ子が最後に笑った。
ティッチは3人きょうだいの末っ子。当然のことながら体の大きさは、お兄ちゃんのピート>お姉ちゃんのメアリ>ティッチ、となります。乗っている自転車の大きさもピート>メアリ>ティッチの順。だいいち、ティッチはまだ三輪車しか乗れません。、ピートとメアリの凧は風を受けて高く舞い上がりますが、ティッチは手にした風車がクルクル回るだけ。
なにごとも上の2人にはかなわない末っ子ティッチ。でも、お兄ちゃんとお姉ちゃんの上をいくことだってあるんです。「エッヘン」と言わんばかりの小さなティッチに拍手!

お話は「Titch was little.」で始まりますが、それに続く文にびっくり。「His sister Mary ~」って、えっ!ティッチって男の子だったの!表紙の絵を見て女の子だと思い込んでいました。青いワンピースと思っていたのは実はセーターで、よく見れば短パンをはいている...。そんなおまけのサプライズも絵本の楽しさに一役買いました。

きょうだいの微妙な心理をシンプルな文と絵で軽妙に描いた作品です。最後にニンマリするティッチがかわいい!

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
And Titch had a little wooden whistle.
ピートは大きな太鼓、メアリはトランペット。ティッチはといえば小さな木の笛を一生懸命に吹いてます。

Rosie's Walk

Rosie's Walk

ロージーのおさんぽ パット・ハッチンス 文と絵  わたなべしげお訳 偕成社

主なキャラクター
ロージー キツネ

お散歩道はアッ、あぶない。
メンドリのロージーが小屋を出て散歩に出かけます。あとをこっそり追いかけるのは1匹のキツネ。ねらった獲物に飛びかかろうとしますが、コテッ、ドボン、ズボッ。最後には尻尾を巻いて退散するハメに。終始おすまし顔のロージーと間抜けなキツネの対照が笑いを誘います。

使われている単語は32語。「Rosie the hen went for a walk」で始まり「and got back in time for dinner.」で終わるたった1文の物語です。across、around、over、past、throughなどの前置詞を用いて庭、池、干し草の山、粉ひき小屋などをめぐるロージーのお散歩コース。軽妙なユーモアを軽快なテンポにのせて、ハッチンスのワザが冴えてます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
under the beehives
ロージーはミツバチの巣箱の下をスタスタ。片やキツネは...。

Where, Oh Where, is Rosie's Chick?

Where, Oh Where is Rosie's Chick?

Where, Oh Where, is Rosie's Chick?

主なキャラクター 
ロージー

生まれたてのヒナはどこに消えた?
ロージーの生んだ卵がかえりました。でも、ヒナがどこにもいません。ロージーかあさんはあちこち捜し回ります。ニワトリ小屋の下?カゴの中?それとも荷車?生まれたてのヒナはいったいどこにいってしまったのでしょう。ネコやサカナ、例によってキツネもこっそりヒナをねらっています。

2015年に出版された本書は、デビュー作『Rosie's Walk』(1968年)から47年の時を経て書かれた続編です。おすましロージーはあわてんぼうママになり、キツネにも家族ができたようです。ユーモアとテンポの良さは相変わらずのハッチンス流ですね。巻末にはロージー誕生にまつわる裏話が掲載されています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Where is little baby chick?
ヒナはいったい、どこへいっちゃったの。

One-Eyed Jake

One-Eyed Jake

かいぞく ジェイク パット・ハッチンス作  わたなべしげお訳 偕成社

主なキャラクター
ジェイク

お宝満載の海賊船の運命やいかに。
片目のジェイクは泣く子も黙る恐ろしい海賊です。客船や貨物船は言うに及ばず漁船も襲撃し、金銀宝石や積荷をごっそり奪います。海賊船には略奪品が山積み。どんどん重くなってついには傾き始めてしまいます。するとジェイクは3人の乗組員を次々に放り出します。

パット・ハッチンスの絵本は同じ状況の繰り返しと最後のオチで笑いを誘います。この作品でも略奪品を海賊船に積み込み乗組員を追い出す展開でストーリーを盛り上げ、大団円へ。
文章はテンポよく軽快。表情豊かな登場人物は個性的で、強欲な海賊ジェイクもラストの間抜けぶりで愛嬌を感じさせます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Your ship will sink with the weight of the feathers!"
クジャクの羽を奪われた船員がジェイクに放った言葉。この作品のキーポイントになります。「堪忍袋の緒が切れる」を意味する英語のことわざ「It is the last feather that breaks the horse's back.」「It is the last straw that breaks the camel's back.」を連想させます。

The Very Worst Monster

The Very Worst Monster

せかい一わるいかいじゅう パット・ハッチンス文・絵  乾侑美子訳 偕成社

主なキャラクター
ヘイゼル ビリー

ライバルは生まれたばかりの弟。
モンスター一家に男の子が生まれました。パパもママもじいちゃんもばあちゃんもベビービリーに夢中。やることなすことに拍手喝采です。姉のヘイゼルは自分に注目してほしくてあんなこと、こんなことで対抗心を燃やします。でもだれも振り向いてくれません。しかもビリーは「モンスターベビー大会」で優勝して世界一のワルのお墨付きまで。ヘイゼルはなんとか弟を遠ざけようとします。

弟が生まれ、だれも自分をかまってくれないとすねるおねえちゃん。上の子の微妙な心模様をモンスターの世界を舞台にユーモアたっぷりに描いています。
本書と同様に、姉になった複雑な気持ちを描いた『A BABY SISTER FOR FRANCES』を思い浮かべました。環境の変化に戸惑う新米のおにいちゃん、おねえちゃんがいたらヘイゼルやフランシスの物語で遊ばせてあげてください。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"I know that he will grow up to be the Worst Monster in the World," said Pa happily.
"No, he won't," said Hazel.
将来は世界一のモンスターだと、ビリーへの期待は高まるばかり。ただ一人ヘイゼルを除いては。


Pat Hutchins(パット・ハッチンス)PROFILE
1942年、イギリス・ヨークシャー生まれ。リーズ美術専門学校でイラストレーションを学ぶ。68年に『Rosie’s Walk』(ロージーのおさんぽ)で絵本作家デビュー。『The Wind Blew』(風がふいたら)でケイト・グリナウェイ賞を受賞した。独特のユーモア漂う作品で知られる。

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