400冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

ネコ

動物が主人公 ネコ

Kitten's First Full Moon

Kitten's First Full Moon

まんまるおつきさまをおいかけて  ケビン・ヘンクス 作  小池昌代訳  福音館書店

主なキャラクター
子ネコ

満月めざして子ネコは走る。
初めて満月を見た子ネコ、まんまるお月さまをミルクの入ったボウルと思ってしまいました。飲みたいなあ、と首を伸ばしてペロペロ。でも舌を虫に刺されただけ。思い切り跳びついたけど地面に激突してあちこちイテテ。今度は走る走る。でもいっこうにお月さまには近づきません。
おいでおいでをするように夜空に浮かぶ月。子ネコのがんばりは報われるでしょうか。

くっきりした太い線で描かれたモノクロの絵が印象的。2005年のコルデコット賞を受賞しています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Still, there was the little bowl of milk, just waiting.
繰り返し出てくるフレーズです。腹ペコの目には満月は甘い誘惑かも。

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COOKIE'S WEEK

Cookie's Week

COOKIE'S WEEK Cindy Ward文  Tomie dePaola絵

主なキャラクター
クッキー

いたずらネコのどたばた日記。
便器にドボンしてトイレの床は水びたし。窓枠の植木鉢を落として辺り一面どろだらけ。ゴミ箱を倒してそこらじゅうゴミだらけ。クッキーのおかげであっちもこっちも大変だ!
月曜日から土曜日まで日替わりでいたずらをしでかすネコのクッキー。日曜日はいたずらもお休み、かな?

各ページに1,2行の短い文が添えられています。ネコの尻尾や足跡のイラストが楽しい。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
There were pots and pans and dishes everywhere!
木曜日の現場は台所。派手にやっちゃいました。

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CROSS-COUNTRY CAT

Cross-Country Cat

スキーを はいた ねこのヘンリー  メリー・カルホーン文 エリック・イングラハム絵 
猪熊葉子訳 佑学社

シャム猫ヘンリー、クロカンで家族の元へ。
スキーをするネコに目が釘付け!松の枝をストックに器用に雪山を滑っています。でも好きでこうしているわけではありません。
シャム猫のヘンリーは飼い主一家と山小屋へやってきます。ところが行き違いで置いてきぼりをくらってしまいます。こうなったら自力で帰るしかありません。そこで役立ったのが一家の息子がヘンリー用に作ってくれたスキーです。スキー板を足に付け、家族の元へゴー。初めにうちはなかなか上手く進みません。思い出したのが男の子が歌っていた歌。リズムに乗ってスキーもノッてきます。
ヘンリーのスキーヤーぶりが見ものです。シャム猫の毛並みや表情が淡い色彩で細やかに描かれています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Help me-owwwwl!" he cried piteously.
一家の車に追いついて助けを求めるヘンリー。このときの表情ときたら...。

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BLUE-RIBBON HENRY

Blue-Ribbon Henry

BLUE-RIBBON HENRY  メリー・カルホーン文 エリック・イングラハム絵

主なキャラクター 
ヘンリー

シャム猫ヘンリーは2本足で大活躍。
今日は一家で収穫祭へお出かけ。お祭り会場ではいろいろなイベントが開催され、ヘンリーと犬のバトンズもペットショーに参加します。ケージを抜けだして会場をウロウロしていたヘンリーは女の子の風船を割ってしまいます。こんな小さな子が一人でいるなんて...。心配したヘンリーはその子のあとを追います。乗馬コースに迷い込んだ女の子に向かって馬が走ってきます。あぶない!ヘンリーは体当たりして女の子を助けます。さらに後ろ足で歩く特技で人々の注目を集め、女の子は無事にお母さんの元へ。大活躍のヘンリーは「Pet of the Show」に選ばれブルーリボンの栄誉に輝きました。

地元住人が集う祭り(country fair)の様子が興味深いです。野菜の品評会、農機具の展示、各種の出店、大道芸人のパフォーマンス。食用油を塗ったブタを捕まえるgreased pig contestなんてものも。ペットショーには犬、猫をはじめ山羊、羊、ニワトリ、ウサギと多彩な顔ぶれが参加します。人間だけでなく動物も加わってにぎやかなこと。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Henry hopped onto an empty seat, and up he rose. Higher, higher than the trees. He could see all the fair spread out below.
女の子を見失ったヘンリーは観覧車に乗って捜すことにします。

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Pitschi

Pitschi

こねこのぴっち  ハンス・フィッシャー作 石井桃子訳 岩波書店

主なキャラクター
ピッチ リゼットおばあちゃん

子ネコのものまね奮闘記。
ピッチの一家はリゼットおばあちゃんと老犬ベローとたくさんの家畜と一緒に暮らしています。きょうだいたちはじゃれあって遊ぶのにピッチは仲間に加わらずいつもひとり。関心はもっぱら外の動物に向けられています。オンドリみたいに2本足で歩いたり鳴き声をマネしたり。ヤギを見れば2本の小枝で角を作ります。アヒル歩きで後を追い池にドボン!あやうく溺れかけました。夜、ウサギ小屋で恐怖体験をしたピッチはリゼットおばあちゃんに助けられます。
病床のピッチをみんながお見舞い。ピッチを囲んで庭でにぎやかにパーティーが開かれます。

リトグラフで描かれた動物たちの愛らしく個性的なこと!絵を眺めているだけで気持ちがほんわかしてきます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
All the animals wanted to cheer her up, so they planned something fun ― a big party in Lisette's flower garden. Mauli, Ruli, and Bello brought Pitschi over in the wagon.
日よけのパラソル付き乳母車はベローがピッチのために手作りしました。

Catwings Collection

Catwings Collection

空飛び猫/帰ってきた空飛び猫/素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち/空を駆けるジェーン
アーシュラ・K・ル=グウィン文  S.D.シンドラー絵 村上春樹訳 講談社

主なキャラクター
テルマ ロジャー ジェームズ ハリエット ジェーン アレキサンダー 

子ネコたちは空を飛ぶ。だって翼があるんだもの。
木の枝に並ぶ4匹のネコと「CATWINGS」という魅力的なタイトルにハートをグイッとつかまれました。翼を持った子ネコの物語だなんて愛猫家ならずとも心をくすぐられます。作者は『ゲド戦記』でおなじみのル=グウィン。扉には「To all the cats I've loved before」と献辞が記されています。きっとさまざまな個性からインスピレーションを受けたのでしょうね。
S.D.シンドラーのイラストが繊細で美しいこと。ネコの毛の柔らかな質感、愛らしい仕草や表情をいきいきと伝えて引き込まれます。
CATWINGSのシリーズは全4冊が刊行されています。40数ページの読み物ですが、読みやすい文章と美しい挿絵で物語を堪能させてくれます。

Catwings

空飛び猫 翼の生えた4匹の子ネコ ― テルマ、ロジャー、ジェームズ、ハリエット。かあさんの元から飛び立ち、人目の届かない森へ。やさしい人間の友だちもできます。

Catwings Return

帰ってきた空飛び猫 かあさんに会いに街に戻ったハリエットとジェームズ。翼のある黒ネコのジェーンと出会い、連れて帰ります。

Wonderful Alexander and the Catwings

素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち 迷子の子ネコのアレキサンダーがジェーンと出会い、みんなの元へ。一緒に暮らすことになります。

Jane on Her Own: A Catwings Tale

空を駆けるジェーン 田舎暮らしにあきたジェーンはひとりで街へ。開いていたアパートの窓から中へ入り込みます。
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CATS, CATS, CATS

Cats, Cats, Cats

CATS、CATS、CATS - アンディ・ウォーホル 文と絵 横尾忠則 監修翻訳 日本ヴォーグ社

鬼才ウォーホルが愛した猫たち。
アンディ・ウォーホルは26匹の猫と暮らしていたそうです。しかも25匹はサムという名前。赤や青やピンクのサムたちの気高く麗しいこと。いたずらがきのような線から生まれたコたちの愛らしいこと。ストーリーのある絵本ではありません。猫のイラストに過去の出版物から引用されたウォーホルの言葉を組み合わせて構成されたものです。

I never met an animal I didn't like.

It's all in your attitude.

I'd prefer to remain a mystery.

Being clean is so important.

As I always say, one's company, two's a crowd, three's a party.

簡潔な言葉とサムたちの姿態に誘われて、うなずいたりニンマリしたり自問自答したり。ウォーホルファンにも猫を愛してやまない人にもおすすめの1冊です。

 MILLIONS OF CATS

Millions of Cats (Gift Edition) (Picture Puffin Books)

100まんびきのねこ ワンダ・ガアグ文と絵  いしいももこ訳 福音館書店

主なキャラクター
おじいさん おばあさん

100万匹のネコからよりどりみどり。
『100万匹のネコ』というタイトルからどんな物語を思い浮かべるでしょうか。ネコがたくさん登場することは想像できます。でもお話の展開は意表を突くものでした。どっきり、じんわり、奇妙な味わいがありました。

夫婦二人暮らしのおじいさんとおばあさんがいます。寂しさからネコを飼うことにします。そこでおじいさんはネコ探しの旅に出ます。 長い旅路の末に、おじいさんはネコで埋め尽くされた丘にたどり着きました。どれほどのネコがいるかと言うと、繰り返し出てくるのが次の表現です。
Cats here, cats there,
Cats and kittens everywhere,
Hundreds of cats,
Thousands of cats,
Millions and billions and trillions of cats.
100万どころかbillion(10億)やtrillion(1兆)なんて言葉が使われて、あたり一面ネコだらけ。

これだけたくさんの中から1匹を選ぶって大変。このコがいいな、と思えばあのコも可愛い。両手いっぱいにネコを抱えたおじいさんの後から大群がゾロゾロついてきます。どうやって我が家の1匹を決めたらいいのか。おばあさんはネコたちに決めさせようと提案します。その結果、何が起こったかといえば...。
エンディングでは自宅でくつろぐおじいさんとおばあさんと、足元でじゃれるネコが1匹。いとおしげにネコを見つめる2人の表情が余韻を残します。

Once upon a time~で始まる物語は昔話のような独特のリズムがあって軽妙な語り口です。何といってもワンダ・ガアグが描くネコたちが見ものです。1匹ずつ仕草や顔つきが細やかに描かれています。文章と挿絵の構成の妙、手描き文字で書かれた文章、モノクロの絵本ならではの奥行き感が物語の世界に誘います。1928年に発表されニューベリーオナー賞を受賞しています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Each cat took a sip of water, and the pond was gone!
ネコたちが池の水を飲んだおかげで、たっぷり水をたたえた池が干上がってしまいました。

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