400冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

クリスマス

クリスマス

THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS 

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THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS CLEMENT C. MOORE 文 GYO FUJIKAWA 絵

クリスマスのまえのばん クレメント・C. ムーア

クリスマスの名詩とGYO FUJIKAWAの挿絵にときめく。
8頭立てのトナカイが空を駆け、サンタが屋根の上に降り立ちます。ソリには子どもたちへのプレゼントがいっぱい。
1823年に作られたクレメント・C. ムーアの詩『A Visit from St. Nicholas』にはクリスマスの情景とときめきが詩情豊かに綴られています。私たちが抱くサンタクロースのイメージはこの詩によって定着したと言われています。出だしの一節「Twas the Night Before Christmas」から『The Night Before Christmas』のタイトルとしても知られるようになりました。

この詩に魅了された数多くの画家が挿絵をつけ、さまざまな『The Night Before Christmas』が出版されています。本書は日系アメリカ人のイラストレーターGYO FUJIKAWAの作品です。
サンタさんは愛嬌たっぷり、子どもたちや動物は愛らしさいっぱい。すやすや眠る天使の寝顔に思わず頬がゆるみます。お菓子や飾りの一つひとつに注がれる細やかなやさしさ。ほのぼの漂うユーモア。GYOさんはやっぱりいいなあ。
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Harvey Slumfenburger's Christmas Present

Harvey Slumfenburger's Christmas Present

クリスマスのおくりもの ジョン・バーニンガム作  長田弘訳 ほるぷ出版

主なキャラクター
サンタクロース

残った1つの贈り物。きみに届けるよ、絶対に。
イブの夜、プレゼントを配り終えサンタとトナカイはやっと家に帰ってきました。みんなクタクタです。パジャマに着替えベッドにもぐりこんだサンタの目に飛び込んできたものは、なんと袋の中の贈り物。たった1つ、ハービー・スラムフェンバーガーの贈り物が残っていたのです。トナカイはぐっすり眠っています。クリスマスの贈り物は届けなければなりません。サンタは歩いてハービーが住むロリーポリー山へ向かいます。
徒歩のサンタにさまざまな救いの足が。小型飛行機、ジープ、オートバイに同乗して山頂にあるハービーの小屋をめざします。

バーニンガムの手にかかるとサンタさんも楽ではありません。でもロリーポリー山のハービー・スラムフェンバーガーの笑顔を見ればその奮闘も報われます。汗と愛情がこもったクリスマスプレゼント、大切にねハービー。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Excuse me," he said, "My name is Santa Claus. I still have one present left in my sack, which is for Harvey Slumfenburger, the little boy who lives in a hut at the top of the Roly Poly Mountain, which is far, far away. And it will soon be Christmas Day."
サンタの言葉を聞いて「ヨッシャ!」とばかりに出会った人々が助けてくれます。

DREAM SNOW

Dream Snow

ゆめのゆき エリック・カール 絵と文  あおきひさこ訳 偕成社

主なキャラクター
農夫

みんなに、ホワイトクリスマスの贈り物。
小さな農場でつつましい生活を送る1人の農夫がいます。いっしょに暮らすのは納屋に住む5匹の動物です。ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブと名付け毎日よく世話をしています。 納屋のかたわらに立つ1本の木にはツリーと名付け、そばを通るたびに声をかけます。間もなくクリスマスという晩、農夫は雪が降る夢を見ました。雪は農夫の上に積もっていきます。そして5匹の動物たちの上にも...。目が覚めるとあたり一面銀世界が広がっています。農夫は急いで身支度を整えます。肩には袋をかつぎ、手には箱を抱えて向かった先は納屋。

赤いコートに白い髭、大きな袋をかつぐいでたちって、まるで...。
ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブとツリーに、そして読者にも素敵な「メリークリスマス」が待っています。

表紙の降りしきる雪は透明シートの仕掛けです。農夫の夢の中で降る雪にも仕掛けがほどこされて、雪に埋もれた動物たちの正体が明かされます。

裏表紙には本書を友人のバリー・モーザーに捧げると記され、ツーショットが掲載されています。驚くのは2人が双子のように似ていること。眼鏡をかけ髭を生やした雰囲気がそっくりです。農夫はエリック・カール自身かなと思ったら実はモーザーがモデルだそうです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Then he sat in his favorite chair, drank a cup of hot peppermint tea
and ate a slice of bread with honey on it.
1日の仕事を終えて、農夫はゆっくりくつろぎます。

Mr. Willowby's Christmas Tree

Mr. Willowby's Christmas Tree

おおきいツリー ちいさいツリー ロバート・バリー 文と絵 光吉夏弥訳 大日本図書

大きなツリーが幸せのおすそわけ。
ウィロビーさんの屋敷に立派なクリスマスツリーが届きました。ところが大きすぎて先の方が天井につかえてしまいます。そこで曲がった部分をバッサリ。切り落とされたツリーの先はメイドの部屋を飾ります。でもやっぱり先っぽが邪魔になりハサミでスパッ。捨てられたツリーを庭師が目に留め家に持ち帰ります。ところがウチには大きすぎると妻がハサミでチョン。窓の外に放り出された先っぽはクマに拾われます。ツリーはどんどん小さくなって森の小さな動物たちの家を飾っていきます。

無用となったツリーが次々と新しい居場所を得て、それぞれの家にふさわしいクリスマスツリーとして歓迎され、家族に笑顔をもたらします。そして洒落っ気あふれるラストシーン。にっこり微笑んで、ウィロビーさんに「メリークリスマス」ってささやきたくなります。

押韻された文章はクラシカルな趣と独特のリズム感があります。全編にほのぼのとしたユーモアがにじみ、大人も子どもも楽しめるクリスマスの絵本です。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
When the trimming was well under way,
The top was placed on a silver tray.
切り落とされたツリーの先端は執事の手でうやうやしく銀の盆にのせられメイドの元へ。

THE POLAR EXPRESS

The Polar Express

急行「北極号」  クリス・ヴァン・オールズバーグ文と絵   村上春樹訳  あすなろ書房

主なキャラクター
男の子

夢をのせてポーラー・エクスプレスはひた走る。
クリスマスイブの夜も更けて、男の子がベッドの中でじっと耳を澄ましています。いまかいまかと待っているのはサンタクロースのソリが奏でるベルの音。でも聞こえてきたのはシューシュー、キキーッという音です。窓の外を見るとそこには列車が止まっています。降りしきる雪の中にたたずむ「ポーラー・エクスプレス(北極号)」。行先は、もちろん北極です。
乗客はパジャマ姿の子どもたち。歌を歌ったりお菓子を食べたりココアを飲んだり、にぎやかです。街を通り過ぎ、森を抜け、子どもたちを乗せた列車はひたすら北をめざします。
北極に到着した列車を迎えるのはたくさんのエルフと、そしてサンタクロース。男の子はサンタから最初の贈り物をもらえることになりました。どんなものでもよりどりみどりです。男の子が望んだものは...。

抑制のきいた色調のイラストが描き出すイブの幻想的な世界。静寂の中から透き通ったベルの音が聞こえてくるようです。1986年のコルデコット賞を受賞した作品です。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"All aboard," the conductor cried out. I ran up to him.
"Well," he said, "are you coming?"
"Where?" I asked.
"Why, to the North Pole of course," was his answer. "This is the Polar Express." I took his outstretched hand and he pulled me aboard.
家の前に止まった列車。男の子は車掌の差し出した手をつかんで、いざ北極へ出発!

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OLIVE, the other reindeer.

トナカイになったオリーブ ビビアン・ウォルシュ文  J.オットー・シーボルト絵 
小野江重久訳  プロトギャラクシー

主なキャラクター
オリーブ

イヌのオリーブのクリスマス大冒険。
クリスマスの定番ソングといえば「赤鼻のトナカイ」もそのひとつ。イヌのオリーブがプレゼントを包んでいるときにラジオから「♪All of the other reindeer~♪」が流れてきました。それに合わせてオリーブも歌を口ずさみます。「♪Olive, the other reindeer~♪」。えっ、トナカイのオリーブ...?わたしって、ホントはトナカイだったの?だったら北極でサンタクロースのお手伝いをしなくちゃ。オリーブはバスを乗り継いで北極へ急ぎます。サンタとトナカイの一行が出発する前になんとかたどり着きました。

「All of」と「Olive」の勘違いから始まった小さなイヌの大冒険。体にリボンを巻きつけて、にわかトナカイとなったオリーブは夜空に飛び立ちます。途中で思わぬトラブルに見舞われますが、オリーブがイヌの得意技で活躍して無事に切り抜けます。
ポップなイラストが軽妙に描く楽しいクリスマスの物語です。ちなみにオリーブのモデルは作者のビビアン・ウォルシュの愛犬ジャックラッセルテリアの「オリーブ」だそうです。

「All of」と「Olive」をどうして勘違いするの?と不思議に思う方は、音声付きの辞書でolive の発音チェックしてみてください。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Olive,won't you guide my sleigh this morning?" asked Santa.
プレゼントを届け終わり北極に戻る直前で濃霧発生。サンタクロースはオリーブに道案内を頼みます。サンタの奥さんの焼きたてクッキーをオリーブの鼻がキャッチ!

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The TWELVE DAYS of CHRISTMAS

The Twelve Days of Christmas

クリスマスの12にち ブライアン・ワイルドスミス絵 石坂浩二訳 講談社

ワイルドスミスが描く12種類の贈り物。
クリスマスマザーグースとして親しまれている『The Twelve Days of Christmas』。12日間毎日、愛しい人から届く贈り物の歌はクリスマスシーズンの街角に流れ、気分を盛り上げてくれます。

The first day of Christmas,
My true love sent to me
A partridge in a pear tree.

1日目のプレゼントは梨の木にいる1羽のウズラ。日ごとにプレゼントが増えていく積み重ね歌です。2日目は2羽のキジバトと梨の木の1羽のウズラ、3日目は3羽のフランスのメンドリと2羽のキジバトと梨の木の1羽のウズラ、そして12日目には12種類の贈り物が並びます。本書ではブライアン・ワイルドスミスのきらびやかな挿絵が1日ごとの新しいプレゼントを描きます。
アーノルド・ローベルの『BOOK OF MOTHER GOOSE』でも『The Twelve Days of Christmas』を取り上げています。こちらはイラストも積み重ね絵の趣向でどんどん増えていき、12日目となると動物も人も物もぎゅうぎゅうの滑稽さです。 

HOW THE GRINCH STOLE CHRISTMAS!

How the Grinch Stole Christmas!: Yellow Back Book

HOW THE GRINCH STOLE CHRISTMAS! ドクター・スース 絵と文

主なキャラクター
グリンチ

クリスマス嫌いのグリンチがしでかしたこと。
フー・ビルに住むフー族はみんなクリスマスが大好き。ただ一人グリンチを除いては。何とかクリスマスを阻止する方法はないものかと思案の末に、グリンチにアイデアがひらめきます。赤いサンタ服と帽子を身につけて、犬に角を取り付け、ソリに袋を積み込んで出発!空の袋を手に屋根に上り、煙突にもぐりこみ、暖炉から身を乗り出すと偽サンタのとんでもない仕事が始まります。

まんまとクリスマスを奪うことに成功したグリンチ。あと一押しというときに何やら音が聞こえてきました。それは次第に大きくなっていきます。

ドクター・スースにかかるとクリスマスのお話もへんてこりん。もちろんプレゼントとご馳走と笑顔は忘れてはいません。クリスマスですもの!

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Maybe Christmas," he thought,"doesn't come from a store.
"Maybe Christmas...perhaps...means a little bit more!"
偏屈で変わりもののグリンチもクリスマスの深い意味に気づきます。

My Penguin Osbert

My Penguin Osbert

My Penguin Osbert Elizabeth Cody Kimmel 文  H.B.Lewis 絵

主なキャラクター
ジョー オズバート

クリスマスプレゼントは本物のペンギン。
今年のクリスマスプレゼントは絶対コレ!とジョーがサンタクロースに手紙でお願いしたのはペンギン。しかも南極生まれの本物です。クリスマスの朝、サンタは願いをかなえてくれました。ジョーとペンギンのオズバートは雪の中でいろんな遊びをして楽しみました。ちょっと寒かったけど。夜は一緒にお風呂に入りました。指がふやけちゃったけど。オズバートの朝ご飯はニシンと海草ジャム。ジョーの好物はチョコレートチップワッフルとソーセージとマンゴジュースだけど。
サンタから動物園の南極ワールドのチケットが2枚届きました。ペンギン城は雪と氷とプールがあってまるで南極みたい。ニシンもたっぷりもらえます。オズバードはここにいる方が幸せなの...?

あんなに望んでいた本物のペンギンだけど、一緒に暮らすって大変。離ればなれは寂しいけれど、その反面ホッとしているジョーです。来年のクリスマスプレゼントは絶対アレ!ですって。

少年とペンギンの夢のようなひとときをブルーを基調にした淡い色彩のイラストがほのぼのと描きます。作者のElizabeth Cody Kimmelが南極とペンギンが好きで、この物語が生まれたそうです。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
I told my penguin should be thirty centimetres tall, white and black with a yellow beak, and his name should be Osbert. I included a drawing.
サンタ宛ての手紙には絵も添えてコト細かくお願い。ジョーの熱意は通じました。

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Spot's Magical Christmas

Spot's Magical Christmas (Spot the Dog)

コロちゃんのクリスマスのぼうけん エリック・ヒル 絵と文 まつかわまゆみ訳 評論社

主なキャラクター
スポット

イブの夜空をトナカイのソリに乗って。
今日はクリスマスイブ。スポットはツリーの飾り付けのお手伝い。そこへ捜し物をしている2頭のトナカイがやってきます。なんとサンタのソリが行方不明!ソリが見つからなければプレゼントを届けることができません。スポットは友だちといっしょにソリを捜しに行きます。そして森の中で大きな赤いソリを発見します。
見つけてくれたお礼にトナカイはスポットをソリに乗せてくれました。星が光るイブの夜空を空中散歩。到着した先は山の中にあるサンタの仕事場でした。ワォ、プレゼントがいっぱい!

子犬のスポットシリーズはめくる仕掛けで人気の絵本です。本書は仕掛けなしの普通の絵本ですが、長めのストーリーとクリスマス気分がたっぷり味わえます。スポットと一緒に、親子で不思議なクリスマスの冒険を楽しんでみませんか。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
The sleigh flew up into the sky in a huge loop and the stars fell sparkling in a great trail all around them.
スポットを乗せたソリは夜空でクルリと宙返り。星がキラキラこぼれ落ちます。

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Father Christmas

Father Christmas

さむがりやのサンタ  レイモンド・ブリッグズ 作  すがはらひろくに訳 福音館書店

主なキャラクター
サンタクロース

イブのサンタのありふれた日常。
12月24日のサンタの1日をコマ割した漫画風の構成で描いた絵本です。レイモンド・ブリッグズはこの作品で2度目のケイト・グリーナウェイ賞(73年)に輝いています。
目覚まし時計にたたき起されサンタの特別な1日がスタートします。トナカイと犬と猫に餌をやり、熱い紅茶をいれ食事をとります。サンドイッチとポットの飲み物はお弁当用。サンタの衣装に着替えてソリに乗ってTALLY-HO!出発です。
日の出とともに仕事は終わり。家に帰ってひと風呂浴びて、ワインとご馳走でクリスマスのお祝い。サンタさん、今年もお疲れさまでした。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
GOOD! THE FLAG'S FLYING. THEY'RE IN.
プレゼントもあと1軒を残すのみ。バッキンガム宮殿の屋上には女王陛下の滞在を示す王旗がはためいています。theyってつまり....。

Who Will Guide My Sleigh Tonight?

Who Will Guide My Sleigh Tonight?

Who Will Guide My Sleigh Tonight? Jerry Pallotta 文  David Biedrzycki 絵

主なキャラクター
サンタクロース

サンタのベストパートナーは一体だれ?
これから始まるサンタの大仕事。ソリを引っ張ってプレゼントを運んでくれる助っ人を探さなくてはいけません。イルカ?賢いけど海に行きたがるからねえ。キリンはどう?長い首が電線にこんがらがっちゃう。カンガルーはあっちへぴょんぴょん、こっちへぴょんぴょん。カメはのろのろ、チータは超特急。いろんな候補がいたけれどどれもいまいち。最後にサンタにピカッとひらめいたのはご存じあの面々。これにて一件落着Ho!Ho!Ho!

動物たちの絵がリアルでユーモラスでときに迫力満点。サンタのお茶目キャラがカワイイ!

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Don't even think about it!" said Mrs. Claus. "Bunnies are for Easter."
サンタさんは恐妻家?

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IF YOU TAKE A MOUSE TO THE MOVIES

If You Take a Mouse to the Movies (If You Give...)

もしもねずみをえいがにつれていくと
ローラ・ニューメロフ文  フェリシア・ボンド 絵  青山南訳 岩崎書店

主なキャラクター
ネズミ 男の子

ネズミと映画がああしてこうしてそうなるの?
ローラ・ニューメロフとフェリシア・ボンドのコンビによる人気のシリーズです。ネズミにクッキー、ムースにマフィン、ブタにパンケーキをあげたが最後、おねだりは延々エンドレス。思わぬ展開で笑いを誘ってきました。

本書ではネズミを映画に連れていってあげます。映画といえばネズミだってやっぱりポップコーン。次は何をおねだりするのかな。
クリスマスシーズンを舞台に雪だるまやツリーやオーナメントが散りばめられて、クリスマス気分を盛り上げます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
On the way home, he'll see a snowman in your neighbor's yard. He'll want to make one of his own.
ネズミくん、雪だるま作りに挑戦です。

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HO,HO,HO!

Ho, Ho, Ho!

HO,HO,HO! - アンディ・ウォーホル 文と絵

A.ウォーホルから「Marry Christmas to you」。
タイトルの「HO,HO,HO!」はサンタクロースの高らかな笑い声。立派な白い髭をたくわえた眼鏡のサンタさんがアンディ・ウォーホルのクリスマスの巻頭を飾ります。
I could give him a Christmas present, a portrait of himself, but I don't know if it'll be done
in time.

ウォーホルのイラストと著作から集めた語録で構成されたクリスマス本です。モノクロを交えて全37点のイラストを掲載。真っ赤なミニブーツに西洋ヒイラギをあしらって。ヒイラギ模様のパンプスも。華やかなオーナメントが彩るクリスマスツリー。天使が微笑み、歌い踊ります。

文字のサイズやレイアウトで強弱をつけた言葉は、まるで語りかけてくるみたい。何気ないひとことが珠玉の輝きを放ち、のびやかに躍動します。
The day after Christmas and I was doing Christmas cards for next year.

The idea of waiting for something makes it more exciting.

Big smiles make a party better because they're energy.

A lot of traditions like this are carried on... because it takes them out of the ordinary world and puts them into something..."special."

Got a lot of calls to go to Christmas parties but I just decided to stay in and I loved it.

Beauty and riches couldn't have anything to do with how good you are...

I have a real take-all-give-nothing attitude this year.

Walking home from a ball at six o'clock in the morning across Central Park, in tails and top hat, was his idea of heaven.

およそ15センチ四方と、手元で愛でるのに手頃なサイズ。小ぶりの個性が本の魅力をいっそう
引き立てている気がします。

How Santa Really Works?

How Santa Really Works

だれも知らないサンタの秘密 アラン・スノウ 文と絵  三辺律子訳 あすなろ書房

主なキャラクター
サンタクロース

そうだったのか!サンタの謎。
たとえば不思議に思ったことはありませんか。
Where does Santa live? サンタさんてどこに住んでるの?
Where does Santa work? 仕事場はどこ?
Who helps Santa? 協力者はいるの?
How does Santa know what you want? 欲しいプレゼントがなぜわかるの?

だれもが抱くサンタクロースにまつわる素朴な疑問に、この絵本は詳細なイラスト付きでズバリ答えます。「へえ」と「ほう」の合間には、hohohoとニンマリすること請け合いです。

クリスマスイブに良い子の元へプレゼントを届ける大仕事はサンタさんひとりではできません。陰で支える多くの存在があります。そのひとつがCIA(Christmas Intelligence Agency)。選りすぐりのCIAスタッフが世界中から良い子の情報を集めているのです。「How does Santa know if you have been good?」で、その活動の一端を知ることができます。

プレゼントはデザインから製造まで地下専門工場で一括。ソリは長距離用と人口密集地域用の2種類。サンタクロースは実はスリムでシークレットサンタスーツを着ていたetc。世界中に笑顔を届けるサンタの秘密を独自の視点で解き明かしています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
They have a Party!
年に一度の仕事のあとは、お待ちかねチームサンタのパーティータイム。

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THE YEAR OF THE PERFECT CHRISTMAS TREE

The Year of the Perfect Christmas Tree: An Appalachian Story

おもいでのクリスマスツリー   グロリア・ヒューストン 文  バーバラ・クーニー絵 
吉田新一訳  ほるぷ出版

主なキャラクター
ルーシー パパ ママ

3人家族の忘れられないクリスマス
アパラチア山脈の小さな村を舞台に、クリスマスツリーにまつわる家族の絆を描いた作品です。
村では毎年、持ち回りで教会に飾るツリーを準備するのが習わしです。今年はルーシーの家が当番です。早春のある日、ルーシーはパパに連れられてツリーを探しに出かけます。やっと見つけたのが崖の突端に立つ1本の木。ルーシーの赤い髪リボンを目印に結びました。

ときあたかも第一次大戦の最中で、パパは異国の戦地へ。秋が過ぎ雪が降り出しても戻ってきません。そして明日はもうクリスマスイブ。心配する牧師にママはきっぱり言います。「ツリーは我が家で用意いたします」。でも、パパがいないのに、どうやって木を切って運ぶのでしょう。

イブ当日、美しく飾られた教会のツリーが村人を迎えます。子どもたちの劇でルーシーは天使役。ドレスはママが夜なべして仕立ててくれました。ツリーのてっぺんには同じドレスの天使の人形が。セレモニーが終わったとき、最高のクリスマスプレゼントがルーシーを待っていました。

留守を守り、パパを待ちわびる母娘の姿が清々しく印象的です。無邪気で健気なルーシー。ママは芯が強く凛とした女性です。「Silent night. Holy night. All is calm. All is bright.」と、澄んだ歌声が絵本の中から聞こえてくるような気がしました。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
In her beautiful dress it looked as if she had wings.
"Behold, I bring you good tidings of great joy," said Ruthie the heavenly angel.
ママ手作りのドレスを着てルーシーはとても誇らしげ。両手を横に広げるとたっぷりの袖が
天使の羽根みたい。

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HAROLD at the NORTH POLE

はろるどのクリスマス クロケット・ジョンソン 文と絵 小宮由訳  文化出版局

主なキャラクター
ハロルド

むらさきのクレヨンでイブの冒険を始めよう。
むらさき色のクレヨンがあれば、ハロルドはどこへだって、なんだって、スイスイ思いのまま。
今日はクリスマスイブ。サンタさんが来る前にツリーを用意しなくちゃ。まずはスーッスーッとお月さまのできあがり。目印になる北斗七星も加えなきゃ。
雪に吹雪に雪だるま。煙突にサンタクロース、もちろんトナカイも。8頭だてのソリにはおもちゃがいっぱい。ツリーの準備もととのって、あとはソファでサンタさんを待つばかり。

ハロルド坊やは1955年に『Harold and the Purple Crayon』(邦題:はろるどとむらさきのくれよん)で絵本界にデビュー。むらさきのクレヨン1本で月夜のおさんぽやロケットで飛んだり、綱渡りしたり。本書はイブの北極アドベンチャーです。なんてったってサンタさんは北極の住民ですから。
作者のクロケット・ジョンソンは絵本作家ルース・クラウスの夫です。『THE CARROT SEED』は妻が文章を、夫のジョンソンが挿絵を手がけた夫婦共作です。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Soon Prancer and Dancer were pawing at the snow, eager to be off around the world.
Harold wasn't quite certain of the names of the other reindeer.
Prancer and Dancerはトナカイの名前。これってクレメント・C. ムーアの詩「THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS」に出てくるトナカイの名前です。ほかの6頭は...思い出せないハロルドくんです。

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MADELINE'S CHRISTMAS

Madeline's Christmas

マドレーヌのクリスマス   ルドウィッヒ・ベーメルマンス 文と絵 
江國香織訳  BL出版

主なキャラクター
マドレーヌ じゅうたん売りの男

マドレーヌのマジカルクリスマス
ツタのからまるパリのお屋敷で寄宿生活を送る12人の女の子。その中のひとりがマドレーヌです。活発で好奇心いっぱいの少女の物語はシリーズ化されています。

クリスマスの前の晩、ひどい風邪のおかげでクラベル先生も少女たちも寝込んでしまいました。
ただ一人元気なマドレーヌは掃除やご飯作りに大忙しです。そこへ現れた12枚のじゅうたんを携えた男。冷たい足元もコレがあればと全部買うことにしました。ところがじゅうたんを手放した男は外の寒さに耐えきれず、再び戻ってきます。マドレーヌのおかげで元気を取り戻し、願いごとを叶えてあげると言う男。あら不思議、台所の洗い物があっという間にピカピカになり食器棚の中へ。男は魔法使いだったのです!

アブラカダブラの呪文で12人の少女たちと家族にはクリスマスのサプライズが。魔法使いの指輪(ring)とクラベル先生が鳴らす(ring)ベルが奏でるファンタジー仕立ての聖夜の物語です。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
It was the night before Christmas
And all through the house
Not a creature was stirring
Not even a mouse.
あの『The Night Before Christmas』の冒頭の一節ですね。 本作では少女たちもネズミも風邪で寝込んでいます。

NINE DAYS TO CHRISTMAS

Nine Days to Christmas (Viking Kestrel picture books)

クリスマスまであと九日―セシのポサダの日
アウロラ・ラバスティダ 文 マリー・ホール・エッツ絵 たなべいすず訳 冨山房

主なキャラクター
セシ

わくわく、はじめてのポサダ。
メキシコのクリスマスの伝統行事ポサダを、小さな女の子を通して描いた作品です。
セシは幼稚園に通う女の子。初めて家でポサダのパーティーを開くことになりました。ポサダに欠かせないのがピニャータです。中に果物やキャンディを詰めた張り子の飾り物で、吊るしたピニャータを目隠しして割るのが子どもたちのお楽しみ。セシはポサダが待ち遠しくてたまりません。掃除をしているお手伝いのマリアに「きょうはポサダの日?」って聞いたり、公園のアヒルに「わたし、ポサダをするの」って話しかけたり。初めてのポサダに高まっていくセシの気持ちが、日常の細やかな描写からいきいきと伝わってきます。

ピニャータ選びで初めて市場へ行くセシ。ずらりと並ぶ動物の張り子が「ぼくにして」「わたしにして」と呼びかけます。驚きと興奮でいっぱいの幼子の愛らしいこと。そして選んだのは、星のピニャータです。待ちに待ったポサダ当日、伝統衣装に身を包んだセシの涙と笑顔がしみじみとした余韻を残します。

キャンドルを手に歌を歌うポサダの参加者たち。グレーを基調に鮮やかな色彩を散りばめたエッツの挿絵が、祝祭のクライマックスを繊細に描きます。1960年のコルデコット賞受賞作です。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
"Baa-baa!" said a lamb. "Take me! I am soft and white and have a nice bell you can keep for yourself when I am broken!"
子ヒツジのピニャータはこんなふうにセシに自分を売り込みます。

THE CHRISTMAS WHALE 

サンタをたすけたくじら ロジャー・デュボアザン 文と絵 なかにしゆりこ訳 新世研

トナカイのピンチヒッターはクジラ。
もうすぐクリスマスだというのに、インフルエンザの流行でトナカイたちがみんな寝込んでしまいました。サンタは大弱りです。どうやってプレゼントを運んだらいいのでしょう。白羽の矢が立ったのがクジラです。海、陸、空から北極の動物たちが集合して、贈り物をクジラに積み上げていきます。大空ならぬ大海原をクジラにのったサンタが出発!

世界中のプレゼントを満載したクジラが頼もしいですね。シロクマやセイウチ、アザラシなどがプレゼントを抱えて、背負って、頭や鼻に乗せて運ぶようすが楽しい。作者のロジャー・デュボアザンはガチョウのペチューニアを主人公にしたシリーズで知られます。

CLAUDE THE DOG

だーいすき! ディック・ガッケンバッハ文と絵 いしもとせいいち訳 新世研

最高のクリスマスプレゼント
犬のクロードは一緒に暮らす家族からクリスマスプレゼントをもらいました。パパからはふかふかマット、ママからはふわふわ毛布、男の子からはおもちゃのネズミです。そこへやってきたのは、のら犬バマー。マットも毛布もおもちゃも見たことがないと言います。そこでクロードは...。

"My best present is at home." クロードのことばににっこり、ほっこり。易しいことばと優しいこころで綴られたクリスマスのお話です

Christmas at Long Pond

William T. George 文 Lindsay Barrett George 絵

クリスマスツリーを探しに、父と息子で森へ。
夜明け前の森、もぐもぐしているウサギを急降下したクロウの鋭い爪が狙います。日が昇ると、食べ物を求めてシカの親子が現れました。幹をつつくキツツキのけたたましいこと!それを見上げているのは父と幼い息子です。ふたりはクリスマスツリーを選びにやってきました。
おじいさんが植えたエゾマツの中から1本を切り出し、そりに乗せて運びます。雪原を進み凍った池を横切り、静寂の森の中を父と子の時間がゆっくり流れてゆきます。精緻なイラストが雪の季節を生きる動物たちと森を細やかに描いています。 降りしきる雪の中にたたずむシカの姿が余韻を残します。

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