390冊超の英語絵本の紹介。英語学習者、絵本好きの方におすすめです。

すばらしき自然

すばらしき自然

DAWN

Dawn

よあけ ユリー・シュルヴィッツ作 瀬田貞二訳 福音館書店

主なキャラクター
老人 孫

光が満ちる鮮烈な夜明け。
静寂に包まれた夜明け前の湖。ほとりに立つ木の下には老人と孫の少年が毛布にくるまって眠っています。そよそよと風が湖面を揺らし、朝もやが立ち昇りました。鳥やカエルが活動を始めたようです。老人と少年も目を覚まします。2人は小さなボートに乗って湖に漕ぎ出します。

ユリー・シュルヴィッツが唐の詩人・柳宗元(Lie Chung-yuan)の詩に触発されて生まれた絵本です。光に満たされて風景が一変するシーンに息をのみました。月明りに沈む湖や山に徐々に広がる夜明けの気配。微妙な色のグラデーションから朝のすがすがしい空気感が伝わってきます。Quiet の1語で始まる本文は1、2行の簡潔な表現で静かな余韻を残します。本作はkonekoさんから教えていただきました。1ページずつじっくり味わいたい絵本です。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Slowly, lazily, vapors start to rise.
薄暗い湖面に朝もやが白々と。

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NIGHT IS COMING

Night Is Coming (Picture Puffins)

Night Is Coming W. Nikola-Lisa 作

夕暮れの農場にゆったりと時は流れ。
西の空が茜色に染まり、おじいさんの農場にもまもなく夕闇が訪れようとしています。麦畑にそよぐ風、鳥のさえずり、草の匂い、たなびく雲。羊や牛の鳴き声も聞こえてきます。ポーチにはロッキングチェアに身をまかせるおじいさんと孫の姿。ゆったりと時が流れ、まもなく夜がやってきます。

農場の風景をクローズアップやワイドで描いた絵に詩のような文章が添えられています。Night is coming.の心地良いリズムに連れられて、いつのまにやら夜の中へ。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Night is coming, and beyond the outline of Grandpa's hickory you can see the sun glowing like a jack-o'-lantern.
カボチャ畑をオレンジの夕陽が照らしています。

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THE SNOWY DAY

The Snowy Day (Picture Puffin)

ゆきのひ エズラ・ジャック・キーツ 作 きじまはじめ訳 偕成社

主なキャラクター
ピーター

雪の日はわくわく雪あそび。
朝起きたら窓の外は一面の銀世界。「雪だ!」。少年の高揚感をシンプルな絵で表現したコルデコット賞受賞作品です。
真っ白な雪に点々と残る自分の足跡。つま先を開いたり閉じたり、足を引きずって線を描いてみたり。木の枝に積もった雪を棒でツンツンしたら頭にドサッ。雪だるまも一丁上がり。大の字に寝ころべば雪の上に人型天使がくっきり。高く積もったてっぺんからヒューッとひと滑り。
雪と戯れるピーターは本当に楽しそう。雪の日の喜びがひしひしと伝わってきます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
He picked up a handful of snow ― and another, and still another. He packed it round and firm and put the snowball in his pocket for tomorrow.
雪のおだんごをポケットの中にしまうピーター。明日までもつのかな。

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Hottest, Coldest, Highest, Deepest

Hottest, Coldest, Highest, Deepest

HOTTEST COLDEST HIGHEST DEEPEST Steve Jenkins作

「世界で一番」を美しいコラージュで紹介。
「暑い・寒い・高い・深い」と、4つ並んだ最上級のタイトルが目を引きます。本書は「世界一」の称号を持つ14の場所を紹介した絵本です。HottestはリビアのAl Aziziyah で57.7度(華氏136度)。一方、極寒の地は南極大陸のボストーク基地でマイナス89.2度(華氏マイナス129度)と想像もつかない寒さです。Highestはエベレストですが、海底からの高さではハワイのマウナ・ケア山が1万メートルを超えて世界一を誇っています。

Steve Jenkinsのアートワークが最大の特長でしょう。極限の海、山、森、砂漠とそこに生息する動植物を美しい紙のコラージュによって楽しく親しみやすく表現しています。場所の地図や比較の図も掲載され、子どもたちの知識と好奇心を広げる工夫を凝らしています。ただ、長さや高さ、温度の単位がフィートや華氏で表記されているので数字がピンとこないかもしれません。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
The windiest spot on earth is atop Mount Washington, in New Hampshire. A wind speed of 231 miles per hour has been recorded there.
最大風速はアメリカ・ニューハンプシャ―州のワシントン山での記録です。

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Rain Rain Rivers

Rain Rain Rivers

あめのひ ユリー・シュルヴィッツ作  矢川澄子訳 福音館書店

街に降り野山を潤す雨、雨、雨。
DAWN』『SNOW』で知られるユリー・シュルヴィッツが詩情豊かに雨の情景を描いた作品です。黄色と水色と黒のやわらかなグラデーションが独特の世界を生み出しています。
雨にけむる家や街、強い雨脚に小走りの人々。丘や野原をしっとり濡らした雨は次第に勢いを増してゆきます。小川から本流へ、そして海へ。うねる波は猛々しい水の力を見せつけます。雨上がりには、子どもたちが裸足になってぬかるみで遊びます。空を映した水たまりに心もはずみます。

窓ガラスや通りを流れる身近な雨の景色から海や空のダイナミックな姿まで、変幻する雨模様は激しく優しく美しい。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Oceans are swelling,
Melting the skies.
ゆったり広がる海は空と溶け合って、どこまでも。

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A TREE IS NICE

A Tree Is Nice

木はいいなあ  ジャニス・メイ・ユードリー 文  マーク・シーモント絵 さいおんじさちこ訳  偕成社

木に集い、木に憩い、木っていいなあ。
1本の木があれば、みんなで木登りできるね。ブランコ遊びもいいな。犬に追っかけられた猫の避難場所にもなるよ。枯れ枝で砂に絵を描こう。夏は木陰で暑さをしのげるし、秋は落ち葉を踏んだりごろごろ寝転がったり。

繰り返し出てくる「A tree is nice because~」の文。木がもたらしてくれるさまざまな恵みを簡潔な文章が静かに語りかけます。カラーとモノクロを交互に配したシーモントの絵は、折々に変化する木々とそこに集う子どもたちや動物の姿をいきいきと描いています。

この絵本が誕生したのは1956年。ここに描かれた穏やかな時間を失われた世界にしてはならないと改めて感じます。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Every day for years and YEARS you watch the little tree grow. You say to people,
"I planted that tree."
自分が植えた木を何年も何年も見守って...。

The Giving Tree

The Giving Tree

おおきな木  シェル・シルヴァスタイン作  村上春樹訳 あすなろ書房

主なキャラクター
木 少年

少年を見守り、すべてを与える母なる木。
1人の少年と1本の木の物語です。少年は毎日やってきて、木に登ったり落ち葉で遊んだりかくれんぼしたり。木に実った果実を食べ、遊び疲れると木陰で眠ります。少年はその木が大好きで、木も少年を心から慈しんでいます。
月日が経ち、少年は青年に成長し、木の元を訪れる回数も減っていきます。久しぶりに会いに来た青年が木登りをしたり遊んだりすることはありません。お金が必要だという青年のために木は果実を差し出します。
さらに時が経ち、中年になった男が訪ねてきます。家を望む男のために枝をすべて差し出します。
そして老境に達した男がやってきました。

木は「she」で語られ、少年は老人になっても「the boy」と呼ばれ物語は進んでいきます。相手に与えつくしすべてを受け入れるGiving Treeは母なるものの象徴でしょうか。And the tree was happyと物語は結ばれています。
シンプルな線で描かれたモノクロの絵本は静かな余韻を残します。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
Then one day the boy came to the tree and the tree said,"Come, Boy, come and climb up my trunk and swing from my branches and eat apples and play in my shade and be happy."
久しぶりに訪れた少年に木は語りかけます。

THE MOON JUMPERS

The Moon Jumpers (Red Fox Classics)

ムーン・ジャンパー ジャニス・メイ・ユードリー 文  モーリス・センダック 文 
谷川俊太郎訳 偕成社

月夜の庭にムーン・ジャンパー参上。
月明かりが照らす夜、子どもたちが庭に出てきました。裸足で踊ったり鬼ごっこしたり。夜の木登りって楽しいね。無人島のキャンプごっこもいいね。即興で歌ったり詩を口ずさんだり。でも夜はやっぱりコワいお話がなくちゃ。窓の下に...「でたぁ!」

冴え冴えとした夜空に浮かぶお月さま。ぴょんぴょん、お月さまをつかまえよう。跳んでハネて、お月さまを追いかけよう。やわらかな月の光に誘われて、子どもたちは「MOON JUMPERS」になって躍動します。センダックが描く子どもたちのいきいきと楽しそうなこと。

モノクロとカラーページを交互に配し、リズミカルで幻想的な月夜の情景に引き込まれます。作者のジャニス・メイ・ユードリーは木と人間の関わりを描いた『A TREE IS NOCE』で知られる作家です。1960年のコルデコット賞オナー賞を受賞しています。

ぴっくあっぷ名シーン迷場面
A GIANT shadow comes! We hide! Bigger and bigger he comes across the lawn!
It's coming! The GIANT!
突然現れた巨人の影。どんどん近づいてきます。巨人が、すぐそこに。

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